「韓国」KTXソウル駅竣工式にイソウロウ
開業後の姿はコチラ
↑2004年元旦、韓国鉄道史に新たな1ページを飾る、ソウル駅新駅舎が正式にオープンしました。
韓国の首都、ソウルの鉄道の玄関、ソウル駅は2004年4月の高速鉄道(KTX)開業を控え、新駅舎が建てられた。レンガ造りの旧駅舎とはうって変わり、ガラス張りの建物になりました。
昨年の新CI(公社ロゴ・表示類の基本デザイン)発表からおよそ10ヶ月になろうとする2003年11月、新しいソウル駅舎は使用を開始しました。明るく近代的な内部はまるで空港の風貌で、レンガ造りの旧駅舎とは又違った旅情があります。CGでしか見たことの無かった駅舎の中にこうして現実に自分の体があると思うと何とも不思議な気分になります。
新しい駅舎は現在3Fがセマウル號改札、2Fが無窮花、統一號改札(*当時)となっています。改札を抜けて1Fがプラットホームの言わば「橋上駅舎」です。3Fは大きな吹き抜けのような構造で2Fの様子が良く見えます(中段右)
KTX開通時から用いるのがこの自動改札機です。形的には日本でも良く見かけるタイプです。※取材当時はまだ試運転中でしたので、自動改札の前で手改札を行います。
大きなドーム状の屋根に覆われたホームにはヨーロピアンのKTXやリミット客車、韓国的な流線型のセマウル號やボンゴ、日本でも馴染みそうなCDCや朝夕の急行電車、そしてアメリカンな特大型と、無国籍風な車両が集まります。欧風デザインの曲線を帯び、光を多く取り入れた駅の中に爆音を上げるDLや統一號の旧型客車、多数置かれたサボ(左上)。新時代と旧時代が融合する現在の韓国国鉄を思わせるオススメの名シーンです。
KTX元年の2004年最初の日、高速鉄道ソウル駅の竣工式が行われました。青瓦台から国務総理を招き、韓国鉄道庁長始め関係者とその家族が出席する中、オーケストラの国歌演奏を皮切りに竣工式が始まりました。
高建国務総理が演説。高速鉄道を軸とした新生KORAIL(韓国国鉄)に賭ける期待は大きく、その中心駅の竣工式はまさに国家的イベントです。
竣工式は無事に終わり、国務総理はSPとマスコミを引き連れて大邱に向かうKTXに試乗します。ここは新聞記者数人とともにダッシュで追いかけますが、記者の皆さんは国務総理を、私はKTXの機関車を目指し…国務総理にカメラが集中する中、一人だけ機関車目指しあさっての方向にダッシュして行くカメラマンMINEYUKIを警備員さんや駅員さんは不思議そうな顔で見ていました^^;
息を切らしながらホーム端に行くとKTXの機関車が出番を待っていた。過酷な試運転を繰り返し、4月開業に向け最後の追い込みを見せる雄姿です。試運転中なので少々車両が汚れていたのが残念です。開業時にはピカピカに磨かれるそうで、早く綺麗な姿でお目にかかりたいですね〜
Korean Train eXpressの略。韓国の2大都市ソウル〜釜山を高速で結ぶために作られた高速新線を走る車両です。基本的にはTGVベースの両端機関車に18両の連接客車(両端客車は動力客車)が付きます。
客車も撮りまくりです^^;ちなみに編成は<機関車+動力客車+連接客車(特室)4両+連接客車12両+動力客車+機関車>となっています。(上中央) 客車は[1]+[編成番号(3桁)]+[号車番号]です。よって画像の102118は21編成の18号車と言う事です。
一般室(普通車)の車内の様子です。私の第一印象としては「新幹線」と言うよりは「成田エクスプレス」でした。高速化を図るためにセマウル號や無窮花號、日本の新幹線と比較すると車体が小振りで作られており、JRの新幹線と言うよりはJRの在来線特急のような感覚があります。ちなみに座席は中央のテーブル付きボックス席を境に、向きが変えられない構造になっています。
2号車から5号車までの4両は特室(グリーン車)です。1×2配列のゆったりした座席です。座席が全て向かい合わせに配置になっていました。
(中段左)飲料水の自動販売機も準備中でした。果たして開業後どんな飲み物が出てくるか楽しみです。
韓国鉄道庁との事前交渉の結果、今回は停車中に限り特別に運転室取材の許可を得ましたので、鉄道庁本部職員さんと共に、いよいよ運転室にミニイソウロウです。寒いホームとは違い、運転室は暖かく快適でした。
中央のALSTOMのマークが付いた黒い大きな箱がメインコントローラーです。左右2つのハンドルは連動して動き、実質は1ハンドルのコントローラーです。ハンドルを手前に倒すとブレーキになり、奥に倒すと加速します。
運転機器を覗いて見ると、意外にもアナログ指示の計器が多く、大変興味深いです。(右下)速度計は針が固定、目盛が横にスライドするタイプです。その上の黒い四角がいくつも並んだ部分は高速新線運転時の速度指示表示板です。ここにATC区間の速度指示信号やその他線路情報が表示されます。
機関士さんにお礼を言って、運転台を降りた後は発車時刻までスナップを撮り歩きます。
隣のホームの無窮花號と並ぶ瞬間を。(関係者に許可を得て同行の下で撮影)
(右中)運転室の後部には工具や最後部反射板、消火器などを収納する倉庫があります。(右下)鉄道庁幹部とその御家族の皆様が試乗します。
汽笛一声、KTXは一路南へ向けて力強くソウル駅を発車しました。
動画でもどうぞ(.wmv MOVIE)
※汽笛は事前に機関士さんにお願いして鳴らして頂いたものです。
2004年、韓国国鉄躍動の年が始まりました。走り行くKTXを見て、高速鉄道の開業も秒読みと言う事を身を以って感じさせられました。2004年4月からは、いよいよこのKTXが本格始動です!
イソウロウ記録2004年 元旦
2004年4月1日、大規模なダイヤ改正と共にKTXは晴れて運用を開始しました(高速線使用区間はソウル〜大田〜東テグ)
開業後の再訪の様子はコチラ