「台湾」樹林調車場にイソウロウ

〜第2部 スタートレインの舞台裏〜

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台湾鉄路を駆け抜ける「スター」の舞台裏。樹林の客車、電車検修庫にイソウロウする。

↑運用を終えた通勤電車とプッシュプル自強號が並んで休息中です。
 

樹林の運転所

 

樹林をネグラとする列車は、東部幹線の電車、気動車特急「自強號」、客車急行「[サ呂]光號」、観光列車「温泉公主號」、昔ながらの青い客車の「平快(日本で言う快速)」「普通」そして台北圏を走る「通勤電車」と様々な種類の列車で彩られます。
 

客車検修庫
 

早速広大な客車検修庫に入ります。

巨大なクレーンに、線路間を広く取った敷地は台湾鉄路の客車がまだ大世帯だと言わんばかりです。

新装開店「温泉公主號」 BCK-10600系

 
台北から花蓮、台東を経て知本へ向かう大人気の観光列車「温泉公主號」がリニューアルを終えたところでした。


(右上下) 座席は日本のグリーン車に相当する「商務車」クラスで2-1列のゆったり座席が特徴です。

日本初公開!?「温泉公主號」の新装食堂車 DC-10500系

 
温泉公主號には餐車(食堂車)が付きますが、今回、外観も新たにリニューアルされました。

(下3枚) 外装は台湾の携帯電話会社"OKWAP"とのコラボレーション。マスコットイラストも台湾ではなかなか好評です。

また、外国人観光客を習って「2004台湾観光年 Naruwan」のテーマロゴが。

 

郵政行李車 MBK80000系

 



"郵政行李車"とは郵便荷物車のことです。車内には郵便物の区分けが出来るように小さな箱がたくさん並んでいます。

検修庫の情景

 

検修庫の中では、出番を終えた客車、出番を待つ客車、と様々な車両が憩いの時を過ごします。

(中央) ブレーキ用のエアタンク

(右下) 山と積まれたブレーキシュー
通勤電車EMU500

 

電車検修線に目を移すと、すっかり台湾を代表する通勤電車になったEMU500が休息していました。

台湾初の通勤電車EMU400の後を追うように登場した韓国製電車は、台北、高雄、花蓮と勢力圏を伸ばし、台湾の都市輸送に欠かせない存在となっています。

EMU500のディテール




ステンレスの外観に普通列車を表す「青と白」のライン。スカートはゼブラの警戒色、貫通扉には"DAEWOO(現Rotem)"のプレートと、台湾鉄路の通勤電車は地味なようで斬新なデザインです。最近は都市圏の通勤だけではく、樹林⇔花蓮などの長距離通し運転も行われます。

EMU500の運転室

 

EMU500の運転室はマスコン及びブレーキレバー双方を右手で扱うように出来ています。客室の座席もビニール張りですが、運転室座席も同様の深緑のビニール張りとなっています。

運転室のディテール




EMU500は客室内からも運転室が見えますが、改めて運転室内部に入ってみると、見慣れたはずなのに不思議な新鮮さが有りました。

(左下) マスコンは速度に対応して目盛が刻んで有ります。

床下からコンニチハ★


床下から覗くEMU500。EMU500は客車列車や自強號に比べると見栄えは地味でも、床下に潜れば迫力満点です!

(中央) インバーター格納箱。ドイツSIEMENSの名板が付いています

(左中) EMU500のモーター。市民の足の"動力"です

 
自強號車DMUが到着

 

隣の発着線に花蓮からの自強號DR2900系が入線して来ました。電車、気動車と様々な列車が到着しては出発して行きます


(右下) DR2900の床下。麗しの島を疾走する床下からは"気迫"が迫ってくるようでした

樹林の風景

 

入換をする人、整備をする人、掃除をする人、運転をする人、ここにいると列車が様々な人の手によって動いている事を実感できます。

 

客車の小物

 

(下2枚) 検修庫の隅には号車札や行き先札が置かれていました。

PP返來了!台鉄の主役が帰って来た!

 

花連を朝に出たプッシュプル自強號が樹林に戻ってきました!


台湾の看板列車の到着に緊張が走ります。

主役の風格、E1000系

 

1996年、台湾初のプッシュプルトレインとして大量投入された自強號。EMU500同様、高雄をメインに花蓮方面にも勢力を拡大している台湾鉄路の看板列車です。


日本のキハ20顔のような貫通型の多い台湾の電車にあって、流線型の高運転台は"在来線黄金時代"の台湾鉄路の主役にふさわしい風格が出ています。

E1000のディテール

(左下) E1000は前後の機関車が南アフリカUNION社製、中間の客車が"HYUNDAI(現Rotem)"製となっています。

 

E1000のコックピット

 

いよいよ待ちに待ったE1000の運転室ウォッチングです。大きなディスプレイモニタを搭載している為、計器がシンプルになっています。


E1000のコックピット☆

 


冷房の効いた運転室でいろいろ観察します。

(左下) E1000の助手席も2人掛けです。
 

E1000の足元!

 

E1000の床下にお邪魔しま〜す。


(左上) 信号検知器のセンサー部分。

日本初公開!! E1000の内部にイソウロウです!

 

今回のメイン、E1000の機関室に入ります。遠く花蓮から走ってきた列車の機関室は熱を持ち、サウナ状態でした。しかし思ったより内部がすっきりしているのにはオドロキです!
 


樹林グルメ☆

 

検修庫での取材を終え、イソウロウの締めは「食堂(餐廳)」にてランチです。バイキング形式のメニューから「鐵路飯盒」と呼ばれるお弁当まで、様々なメニューがあります。

今回は指導運轉主任先生から「鐵路飯盒」の差し入れが有り、ありがたくご馳走になりました。おかずの種類も多く、ボリューム満点!好吃(おいしい)!!

 

 

 

樹林調車場を後にする


↑迫力の3重連構内回送。

待望の新幹線開業が1年後に迫った台湾では、在来線が黄金時代を迎えています。そんな黄金時代の一翼を担う樹林調車場は台湾有数の車両基地です。開設から約6年、これから樹林は鐵路環境の変革と共にどのように発展して行くのか目が離せないです。

高雄行きの列車の車窓から見えるあの"気になる車両基地"は今日も舞台裏で様々な人の手によって「安全で快適な列車」を支えている事を実感しつつ樹林調車場を後にしました。

イソウロウ記録

2004年4月

※取材のために転車台と機関車起動、機械室取材の為に安全確保して頂いた樹林調車場の指導主任先生をはじめ関係各所の皆様には心から感謝致します。大感謝!

※そして調車場取材の為に導覧頂いた街猫先生、李会長、路克站長にはこの場を借りて感謝致します。大感謝!!

 


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