「韓国」全羅線の無窮花号にイソウロウ前編 〜鈍行無窮花で全羅線を行く〜
↑新しい塗色の機関車に牽かれ、エンジン音も高らかに韓国最後の非自動幹線を走ります。
おすすめサイト(日本語)私も愛読しています。是非併せてご参照下さい無等鐵道全羅線の非自動の姿と新線化後の姿を繊細に記録していますT.Shibata's Home Page全羅線や慶全線など韓国の非自動路線の訪問旅行記が印象的です
ソウルからはKTXで1時間40分、ここ湖南線の益山駅は全羅線、群山線が分岐する1大ジャンクションです。今回イソウロウする全羅線の無窮花号#1525列車は益山始発のいわゆる「KTX連携列車」。ソウル(龍山)からのKTXに接続する在来線L特急のような存在です。始発駅益山は表示類も、青を基調とした新CIになっており、すっかりKTX停車駅の様相となっています。
益山駅は旅客のほか、貨物駅としてもジャンクションとなっており、広い構内には多数の貨車が停泊/留置されています。最近は新CI適用の青い塗色の貨車を多数見かけるようになりました。
全羅線の無窮花号#1525列車は駅舎に一番近い1番線に停車していました。日本の485系の中間車っぽい風貌の一般室(普通車)4両と最後尾にJNRの20系寝台を思わせる天井の高い電源車が連結されています。
客車先頭部では機関車の連結が行われていました。今回の機関車は新CIの7144号。徐々に接近して…連結完了〜!
ドアが開いて客扱い開始。いよいよ列車に乗り込みます。標準軌の車内は通路が広くなっています。麗水行きの#1525列車は無窮花号と言えど、かつての急行列車相当ではなく、多くの駅に停車する各駅停車タイプの列車です。今回は終焉を迎える非自動区間途中の南原駅までをイソウロウします。
定刻の9:05分、ホームに短い汽笛を残し#1525列車は終着駅麗水に向けて静かに滑り出しました。乗車率は40〜50%程度。結局KTXからの乗り継ぎ客は10数人で、利用者のほとんどが益山から乗車の地元利用者でした。(右下)機関区を擁する益山駅の構内には今なお現役の3225号DLが入換に活躍中でした。
益山を出ると、高崎駅や鳥栖駅を髣髴させる湖南線との豪快な分岐を経て、全羅線に入ります。列車は60〜70Km/hほどで益山の町を高架ですり抜けてゆきます。
列車はビビンバで有名な全州を目指しながらこまめに駅に停車して行きます。車窓の風景も日本に似た田園風景が続き、まさしく往年のL特急に乗ったような気分になります。
放送室にも少しイソウロウ。最近の韓国鉄道では韓国語・英語・日本語・中国語と4ヶ国語での自動放送がありますが、自動放送を鳴らしている正体がこの装置です。
電源車にもミニイソウロウします。客車よりは少しゴリゴリした乗り心地ですが、鉄格子越し(?)に見る車窓、これはこれで楽しいかも…^^;(左上) エンジンルームは常にエンジンの轟音が響きます(中央) 消火用の特大ボンベ
全州を過ぎると車窓はぐっと山岳農村風景になります。この区間は数年前に直線化工事が完了し、静かな乗り心地で走ります。
新里駅では統一号客車が多数留置されていました。全羅線の庶民の足として長年活躍した銘車は往年の姿のまま山間の駅でひっそりと解体の日を待っています…
統一号とお別れし、列車は多くのトンネルを越えながら山間を南へと走って行きます。
館村駅到着
列車は館村駅に到着。ここから南原までは機関車添乗の許可を頂いていますので、機関車運転室に添乗しま〜す。憧れの新CI機関車にイソウロウ開始!
機関士さんの時刻表。館村は9時54分30秒着で一分停車、9時55分30秒出発です。非自動区間は通票の三角や丸マーク。他の区間のハングル4文字は「単線連動」と書かれています。目的地の南原駅は10時34分到着です。
列車は定刻に館村を出発。エンジンも徐々に回転数を上げて行きます。
列車はぐんぐん速度を上げて90Km/hほどで快走します。現在は単線ですが、将来的には複線化される予定で、現在は路盤のみが整備完了されています。
列車が減速を始めると程なくATSのベル音が車内に響き、任実駅に到着します。
任実駅からは通票を使用する非自動区間です。ホームには既に通票の入った大きな輪っかがスタンバイしています。
ホームに滑り込みながら副機関士さんが次の五柳駅までの通票を取ります。取り損ねると列車が出発できない為、大変重要な任務です。副機関士さんは身を乗り出してパッと通票をGet!減速中とは言えど、20〜30Km/hの速度の中、素手でキャッチ!
通票を取ったら中身の確認。五柳駅までの三角を確認。運転室内に「サムガ〜ッ(三角)」と声が響きます。任実駅で一分停車した後、列車はいよいよ最後の非自動幹線に入ります。
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