「韓国」一山線注葉駅にイソウロウ



国鉄と言えど地下鉄。乗車券窓口販売の地下駅にイソウロウする

↑多くの乗客の前をヨーロッパスタイルの電車が到着!
 


一山線について

ソウルから北西部に位置する一山線はソウル地下鉄3号線に直結する全長19.2Km,直流1500V、右側通行の異色の通勤路線です。路線にはソウル地下鉄公社(SMSC)所属の「GECチョッパ」と呼ばれるヨーロッパスタイルの電車(左上)と韓国鉄道庁(Korail)所属のVVVF電車(右下)が混ざって走ります。ちなみに双方の車両は境目無く相互乗り入れをします。
 

SMSCのステンレス椅子車両!

 

2003年2月の大邱地下鉄火災の大惨事を受けてソウル市の地下鉄運営公社(SMSCやSMRT)では座席を不燃のステンレス製のものに取り替えました。

裏拳(?)で軽くノックすると「コンコンッ」と音のする座席は日本人的には抵抗がありそうですが、少々弾力性のあるバケットタイプになっており、意外と硬さは気になりませんでした。

また、座席の冷えも無く、1時間以内の利用であれば問題無く乗車できる感じでした。

一方、韓国鉄道庁所属車両は不燃材質の物へと交換が進んでいます。

柱葉駅ホーム
 


ソウルの中心部から約30分、終点大化駅の1つ手前に注葉駅があります。高陽市一山区の中心部にも近く、ここからソウル方面に多くの近隣住民が利用します。

また、近くにはアジア最大の人造湖、一山湖の湖水公園が広がり、休日は都心からのレジャー客の訪問も多く見られます。

 

駅構内の風景

 

改札を抜けて駅コンコースへ。売店や食品店が店を構え、ちょっとした地下街の風貌です。感覚的にはソウルの地下鉄版駅前商店かも…^^;


(左下)地下鉄乗車券の券売機です。先に料金ボタンを押してから金額を投入するタイプです。
 

お世話になります〜

 



早速駅イソウロウ開始!まず案内して頂くのは、窓口で乗車券を販売する女性職員のキム・ソンイさんです。二十歳のお姉様の案内で駅の取材が出来るとあって弊イソウロウ事務所もパワー全開(??)です^^;;

「駅施設は撮っても、私は撮らないでよ〜」とお叱りを受けながらも…^^;

いざ、駅長室へ

 

駅長さんへ挨拶&表敬訪問をしに、ソンイさんと駅長室へ向かいます。

職員通用口から改札を抜けて広い構内を歩きます。

駅事務室

 

駅事務室の内部。一日におよそ20000人もの乗降客、250本近い発着のある駅の司令塔、多くの利用者の便宜と安全を確保します。


乗車券類の発売の他に、駅構内の施設管理、入居店舗の管理、駅内広告の管理など多忙な業務があります。

駅長さんに挨拶

 

駅長さんに挨拶を交わします。

「ようこそ私たちの駅へ!」
「日本から来ました。よろしくお願いします〜」

 

駅務管理室内部



事務室横には、各種モニター類がびっしりです。


(左上) 火災報知器と空調の制御盤

(左中) 駅構内の放送装置

(右中、右下) 駅の各所が見渡せるモニター

(左下) 駅の換気温度のモニター。画像の表示は「北待合室 空調機 換気温度 (低)18度,(高)29度」

ホームへ

 


駅長さんのホーム巡回に同行します。駅に異変が無いか、危険箇所が無いか、寒い暑い場所が無いかを駅長さん自ら巡視して回ります。

(左上) ソンイさんが秘書の如く扉を開けて駅長さんは会社の社長のように出陣します。同行しているとVIP気分(!?)
 

列車を見送る

 


ホームに居ると数分おきに電車がやって来ます。

駅長さんは多くの乗客の安全な乗り降りを見届けます。

巡回完了

 

乗客を乗せて安全に出発した電車を見送って多忙な駅長さんは次の仕事に入ります。

 

切符売り場へ

 


駅長さんと別れ、次は乗車券窓口へ。ソンイさんも窓口で仕事中でした。

乗車券窓口の内部

 

普段見ることの出来ない乗車券販売窓口の内部。様々な機器が整然と並んでいます。
 

窓口さんのお仕事

 

柱葉駅では地下鉄乗車券の販売の他に、国鉄(長距離線)乗車/指定券の発売、最近はT-Money(JR東日本のSUICAのような非接触ICプリペイドカード)の金額補充も行われます。

ちなみに窓口に就く職員さんは全ての駅と料金を覚えていて、どんなマイナーな駅名を言ってもスラスラ路線と料金を答えます。まさにプロですね〜(^_^)

地下鉄乗車券を発売する

 


地下鉄(電鉄)乗車券発売は自動販売機を設置してあるものの、大部分の利用者が窓口で購入してゆきます。

駅名を聞いて即座に切符を出し、お釣りを出す職員さんはまさに「職人技」。

(右下) すぐにお釣りが出せるように100ウォンと500ウォン硬貨を準備しています。

(左下) 職員さん用の切符料金のカンペ(?)です。地図から即座に料金が分かります。実際は「もう全て覚えているので必要ないですよ」との事でした。
 

T-Moneyの金額補充

 


乗車券販売と同様に多い業務が、T-Moneyの金額充填業務です。柱葉駅は韓国鉄道所属なのでT-Moneyの新規販売は行っていませんが(地下鉄公社の駅で買えます)、金額補充は需要が高く、大切な業務となっています。

専用の機械にカードを置いて補充金額を入力すると、5秒ほどで補充完了です。

国鉄乗車券の販売

 

国鉄(長距離)線の無い柱葉駅ですが、国鉄長距離線の乗車券がよく売れます。沿線の大谷駅乗り換えの京義線乗車券やソウル/龍山からのKTXと様々な乗車券を販売します。

(左下) 信用カードの読み取り機。日本の信用カードも使用可能です(番号ボタン[1]の上に[海外]と書かれたボタンがありますので、右横の切れ目にカードを通して、[海外]ボタンを押せば暗証番号なしで数秒で決済します。)
 

販売窓口の風景@

 

この日は日曜日とあって多くの利用者が窓口を利用します。窓口の職員さんは皆手際よく、てきぱきと業務を行います。

窓口さんの勤務時間

 


朝5時過ぎの始発から深夜24時まで続く地下鉄運転を行う韓国鉄道庁では、窓口職員さんは朝9時からの勤務となっています。深夜24時の終電の後、駅を閉めて仮眠室で就寝、翌朝の始発から朝9時まで業務を行います。そして翌日が休日の隔日勤務となります。

ちなみにソンイさんは大谷駅乗換えの京義線で通勤。出勤も退勤も朝のCDCです。
 

 

販売窓口の風景A

 



販売窓口の内部は様々な機器がこぎれいに並んでいます。また、観葉植物や花などが置かれ、女性職員の居る職場を感じさせます。



(上段左,中) 改札機と直結した端末。即時に改札数と金額を集計します。

監督員票

 

職員が改札を通過するときに使用する「監督員票」。一般の乗車券と違い、薄いプラスチック製です。
 

構内の情景

 



日曜午後の駅構内は、ソウルへ行く人、家路に着く人と賑やかな時間が続きます。
 

乗車券発券機




最後に乗車券の印刷発券を見せてもらいます。


発券にはフランス製のこの発券機を使用します。まさに80年代のフランス映画に出てきそうなコンピューター端末ですね〜^^;
 

発券作業



ソンイさんが発券機に金額、種別、枚数を入力するとジジジッと大きな音と共に乗車券が発券されてゆきます。

1秒間に2枚ほどのペースで発券され、乗車券箱に格納します。

地下鉄駅の昼下がり



切符を買う人、列車から降りてゆく人、待ち合わせをする人…昼下がりの地下駅は瞬く間に時間が過ぎて行きます。
 

注葉駅を後にする

最後までカメラを恥ずかしがるソンイさんにお礼を言って注葉駅とお別れです。

拡充する韓国の地下鉄網の中で今年30周年を向かえるソウルの地下鉄。新しい技術で自動化、合理化が進む中、窓口販売の伝統が今も行き続け、人間らしい姿を残しています。地上からは、階段とポールサイン、車窓からはホームと駅名票しか見えない地下鉄駅ですが、その1つ1つに個性とドラマがある事を感じつつ注葉駅を後にした…

イソウロウ日時
2004年11月
 


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