「台湾」西部幹線の自強号EMU1200にイソウロウ

第1部 〜首都台北の地下鉄特急編〜



It's Taiwanese style!台湾オリジナルデザインの電車特急にイソウロウする。

↑台湾鐵路局の新しい顔。画期的なデザインで話題を呼んだ更新車体の特急電車、EMU1200系にイソウロウします。
 

台北市の最も濃い区間、松山→台北をイソウロウする。

人口260万都市、台湾の首都台北の市内を大きく横断する縦貫線(西部幹線)には台北市内に2つのターミナル駅を持ちます。1つは台北駅、そしてもう1つが市内西部にある松山駅です。今回は台灣鐵路の大動脈、西部幹線を走る特急「自強号」にイソウロウします。第1部は都市区間の松山駅→台北駅6.4Kmの旅です。
 

松山駅の風景

 

台北市内の縦貫線は1989年に大規模な地下化工事が完成し、台北駅や隣の萬華駅は地下駅になりましたが、松山駅は今も地上駅です。台北首都圏の通勤列車駅として、高雄や台中をはじめ、新竹、嘉義、台南に向かう、西部幹線列車の拠点駅として活躍しています。

現在も台灣高鐵(新幹線)がらみの工事が続き、更なる進化を遂げようとしています。
 

山自強号1011次
 

第4月台(第4ホーム)にEMU1200型が滑り込んできた。この列車は松山始発、高雄行き山自強号1011次となります。

西部幹線の竹南〜彰化区間には2つの「海線」「山線」と2つのルートがあります。同区間を走る西部幹線の列車は列車名に「海」「山」を付けて、経由路線がわかるようにします。

1011次は山線を経由して高雄に向かう自強号ですので、「山自強号」となります。

 

EMU1200のディテール

EMU1200は自強号専用特急電車EMU200に大改造を施して生まれました。3両ユニットで活躍したEMU200を9両1編成に組み、中間運転台の廃止、前面の非貫通加工、内装の更新、自動ドアへの改造、LED方向幕の設置そして斬新な塗色に身をまとい2003年に再デビューしました。特徴の有るスタイルですが、各所に往年のEMU200の雰囲気を残しています。

EMU200のオリジナル

 1987年、南アフリカ生まれの自強號用特急電車EMU200の改造前の姿。当時はEMU100を受け継ぐ塗色に貫通型の顔をしていました。この顔は後に登場する通勤電車、EMU400にも継承されて行きます。
 

いざ、運転室☆

 

今回は運転室添乗の許可を得ていますので、運転席にオジャマします。

EMU1200の運転台は非貫通の前面形状だけあって、機器類が広く取られています。

運転室のディテール

 


種車EMU200に準じた機器を持つEMU1200の運転台は機器類がシンプルかつ整然としています。

(右上) マスコン(加速)レバー。走行段は無段になっており、走行速度が刻まれています。

(左下) ATS装置。システム的には日本のATS-Pに近いとの事です。

(右下) 運転士さんの時刻表。その隣は誤通過防止のための次停車駅表示機です。
 

出発待機

 


運転室で出発待機をします。これから高雄までは400Km弱、4時間53分の旅です。
 

通勤電車を待つ

 

列車は台北からの通勤電車の入線を待って発車します。


信号機が緑になると「開車オーライ!」と点呼をします。

8:47、松山開車!



定刻発車時間の8時47分、車長(列車長)から「1011次、開車all right(オーライ)、謝謝」と無線が入りました。運転士さんが「1011次開車謝謝」と返し、列車は松山駅を開車(出発)します。

逆転機を前方に投入し、ブレーキ緩解のあと、静かにマスコンを入れます。

ツリカケ音を奏でながら

 


足元からは静かに吊掛モーターの音が響いてきます。小奇麗にまとまった車両に一見ミスマッチの懐かしい音に不思議な気分です。
 

松山を後に

 




列車は静かに松山駅第4月台を後にします。

駅横の踏み切り

 


駅横の踏切をゆっくりと通過します。バイクがズラリと待機する姿はいかにも台灣らしい良い光景です。

地下区間へ

 

列車の前方には台北駅へ向かう地下トンネルが顔を出しています。列車は軽い汽笛一声とともにトンネルに入ります。

地下を快走!特急自強号

 


列車は吊り掛けモーターの唸りと共に、どんどん加速して行きます。広い地下路線の構内開放感一杯に走ります。

 

列車は行く

 




列車は80〜90Km/hの速度で台北駅を目指します。

 

避難用ホーム

 



松山〜台北区間には数箇所の避難用ホームが設置されており、万一の事故の際の避難経路となっています。蛍光灯の並ぶホームは一瞬駅を思わせる光景です。

デッドセクション(中性区間)!

 



(左上) 前方にひし形の
<預>の標識が出ると間もなく交交セクションを通過します。列車はノッチオフをして進行。

(右上) 
<切>でセクションが開始。その奥にセクションの終わりの<復>の標識があります。

台湾ではデッドセクション(死区間)は「中性区間」と呼ばれます。

*光號とのすれ違い

 

遠くから1灯のヘッドライトが近付いてきた。EL牽引の台東行きの呂*光號40次だ!西部幹線の雄と東部幹線の雄がお互いの旅の平安を願いつつ台北市の地下で出会います。

 

EMU1200の車内

 

自動ドアや車内の案内表示板など、最新の自強号らしい豪華で明るい装備となっています。
 

台北駅接近

 

列車がしばらく走ると台北駅接近の標識が出て来ました。列車は惰行運転になります。

進入無線通信

 

運転士さんが無線機を取り出しCTC指令と通信を行います。「1011次、台北接近〜」

指令から台北駅入線の許可を取り、信号点呼をします。「進站注意、台北停車!」
 

標準軌工事中!

 

前方に明かりを発見!左手には台湾新幹線に用いる標準軌の線路が敷設されていました。
 

台北駅が見えた!

 

新幹線の線路と分かれてまもなく前方に台北駅の第2ホームが見えて来ました。

台北駅第2月台進入

 

列車はホームに待つ多くの人々の前をすべり込むように到着しました。
 

8:58 台北駅到着


列車は定刻で台北駅に到着。2分間の停車の後、山自強号1011次列車はこれから終点の高雄を目指して出発します。一路平安、祝旅途愉快〜!

イソウロウ日時
2004年12月


第2部 〜山自強號!高速走行編〜 に続く
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