「台湾」高雄港線のDoDo火車にイソウロウ第2部 〜のんびり観光列車は自強号気動車〜
↑列車は高雄臨港線のハイライト、(出海口)愛河橋を渡ります。
高雄の中心を流れる愛河を渡ります。近代的なビルの多く建つ風景に150万都市高雄の今日の発展を実感します。
背の高いビルが見える愛河を越えると、車窓は一気に下町ムードになります。
緑の木々を抜け、前方に現れたのは非常に味のある下町の風景です。常夏の港町の裏路地に敷かれた鐵路は懐かしくも新鮮な風景です。列車は汽笛を鳴らしつつ、ゆっくりと軒先をかすめます。台湾にはこういった味のある風情の鐵路が数々あります。
列車は古き良き下町の風情の中、高雄港駅へと向かいます。
前方に大きな踏切と倉庫が見えて来ました。港湾地帯の道路故に、大規模な踏み切りも数多くあり、その全てに踏切係さんが常駐。列車の安全を守っています。
列車は高雄駅からおよそ1時間掛けて高雄港駅に到着しました。車でまっすぐ行くと10数分のところを1時間掛けてゆったり走る。これぞDoDo火車の魅力です。
参照ページ高雄港駅にイソウロウ
列車が停車後、車長さんが前鎮車場からの通票(タブレット)を渡します。
通票を受け取って、信号が緑に変わります…が、緑の葉が生い茂り過ぎて、信号が見えません^^;;;
列車は汽笛を軽く鳴らし、定刻で出発します。高雄港駅の駅員さんも手を振って見送りのサービスです(^_^)
高雄港駅を後にして、DoDo火車は構内の渡り線を次々と横断してゆきます。
列車は鼓山路に沿って下町を走ります。
車内では點心(おやつ)であるポップコーン(爆米花)が振舞われています。日本では見られない「マクドナルドのポップコーン」。珍しい事請け合いです。さらに台湾風の點心も出れば、日本人的には嬉しさ倍増ですが…
下町の線路を走っていると突然犬が線路を横切ります。汽笛を鳴らし、ブレーキを掛け、危機一髪で渡りきりました〜ひょうひょうと去って行く高雄のワンコでしたが、運転室にいた我々人間は真っ青でした^^;;
予期せぬ運転停車(?)に驚きながらも気を取り直して運転開始〜!それにしても低速で走る区間で良かった…
鼓山駅進站
右手に立派な複線電化の西部幹線が近付いてくると、臨港線の終点、鼓山駅です。列車はここから西部幹線に入ります。
列車は非電化単線の臨港線から複線電化の大動脈、西部幹線に入ります。駅の配線上の理由から、臨港線の列車は鼓山駅から高雄駅には直接行けませんので、一度1つ北の左營駅に行き、そこで進行方向を変えて、高雄駅に帰ります。
列車は先ほどまでの低速がウソのように60〜70Km/hの速度で北上します。20〜30Km/hの速度に目が慣れているため、物凄いスピード感です。
列車は左營駅に接近します。
高雄へのラストスパートに付くEL牽引の呂*光號とすれ違うと左營駅に到着します。DoDo火車はこの駅で向きを変えて高雄へ続きます。
左營駅では5分の運転停車の間に方向転換します。運転士さんは慣れた手つきで台北側の運転室を締め切り、車内をダッシュ、大急ぎで高雄側の運転室を空けて各所の点検/準備を行います。
準備完了と時を同じくして出発信号が変わります。DoDo火車も終点高雄へラストスパートです。
列車は台鉄最高級の路線、西部幹線の上をどんどん加速します。臨港線の鐵路と違い、ロングレールの立派な線路が続きます。
列車が50Km/hになった時、変速機を直結段に投入します。早く走る気動車の証、そして自強號DR2900の本領発揮です!フルノッチのエンジンが車体をぐいぐい引っ張ります。
臨港線をのんびり走ったDR2900型「DoDo火車」は先ほどまでの低速走行のうさを晴らすかのようにキビキビ走ります。「三つ子の魂100まで」の如く、たとえ観光列車に生まれ変わろうがDR2900は特急自強號の走りを忘れていません。
DoDo火車は90〜95Km/hの速度を維持して快走します。のんびり観光列車にいながら「ディーゼル特急」の走りも楽しめます。(右下) 先ほど通った鼓山駅もあっという間に通過!
突然運転室のパネルに赤ランプが点灯し、警報音が鳴り響きます(右上)。運転士さんはブレーキを投入して確認ボタンを押します(左下)これはATSの作動音です。台鉄の車両に搭載したATSは前方の信号が「注意」の場合も赤ランプと警報音が作動します。確認ボタンを押すとアラームが鳴り止み、赤ランプは点滅に変わります。また、前方の信号の制限速度以下まで車速を減速させると赤ランプが消えます。
走行している間に列車は高雄駅に近付きます。台北行きの列車とすれ違えば場内信号機が我々を迎えてくれました。
列車はE1000自強號や藍色客車の待つ高雄駅の構内へ。一番右の第1月台に到着します。
1時間30分ぶりに列車は高雄駅の第1月台に帰ってきました。運転士さん、車長さん、マクドナルドのスタッフの皆様、お疲れ様でした〜。そしてありがとうございました!大感謝〜!
台湾第二の都市、花の都高雄の魅力を存分に体験できるDoDo火車。歴史の古い貨物臨港線に台鉄の看板列車である自強號の改造車を大胆に投入したアイデアで人気を博しているこの列車も、登場から2年になろうとしています。懐かしい路地、新しい摩天楼、港の風景…今度も「高雄らしさ」にこだわり、ますますの発展を願いつつDoDo火車を後にした。
イソウロウ日時2004年12月