運転室にいると、無線で呼び出しが掛かってきました。
指令 「鉄道1217列車どうぞ」 1217機関士 「こちら鉄道1217列車。指令どうぞ。」 指令 「今日の1217列車には11000号台が組み込まれています。出発時、駅通過時、到着時と毎回後方確認を行って異常音がしないか確認してください」 1217機関士 「何ですって!?11000号台ですか!?」 指令 「旧型の無窮花号客車です。車両が古いので揺れることがあるのですが、電鉄用の高いホームでは扉とホームの隙間が狭いため、車両の扉がホームをこすってしまう可能性が無くはありません。ですから後方確認を行って異常音が発生しないか監視しなければなりません」 1217機関士 「ちょっ、ちょっと待ってください。我々は電気機関車ですよ!ディーゼルと違って後方確認は出来ません。無理ですよ」 指令 「それはなりません。確認できないのであれば出発できません」 1217機関士 「旧型なら今までもちゃんと走ってたんじゃないの?こんな話は初耳だよ!」 指令 「自動扉改造時に一部の旧型車がこうなったんです。普段は(電鉄線の無い)南部で運用していますが、今日は車両の都合で該当車(11557号)が7号車として当たってしまいました」 1217機関士 「分かりました。何とかします。で、どこまで監視を行うのですか?」 指令 「天安までです」
1217機関士 「(無線機を離して)やれやれ…(車内電話に切り替えて)1217列車車掌聞こえますか〜」 1217車掌 「聞いてましたよ〜」 1217機関士 「悪いけどさぁ、7号車の扉部分に専務車掌を1人監視に付けて」 1217車掌 「天安までですよね〜分かりました」 1217機関士 「何か変な音がしたらすぐに通報して」 1217車掌 「了解です〜」
7号車の客車を良く見ると扉の下部が他の客車より出っ張っています。建築限界はクリアしているものの、電鉄線の高いホームを通過する時にこすらないかどうかを監視する事になりました。
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